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トーナメント 組み合わせ 大会 esports

ダブルイリミネーション方式:上位トーナメントと敗者復活、ブラケットリセットの仕組み

公開日
読む時間 1 min
上位ブラケットと下位ブラケットが決勝で合流するダブルイリミネーション方式の図

1敗しても敗退しない。負けたチームは下位ブラケット(敗者復活)に落ちるだけだ。本当に敗退が決まるのは2敗した時点。1敗で即終了するシングルイリミネーションとの最大の違いがここにある。ダブルイリミネーションでは2つのブラケットが並行して進む。まだ負けていないチームの「上位ブラケット」と、1敗して生き残りをかける「下位ブラケット」だ。両者が交わるのは決勝だけ。

esportsの大きな大会のほとんどはこの形式で優勝者を決める。Dota 2のThe International 2026のプレーオフはまさに今、上海でこの方式で進行中で、ValorantのVCT Americas Stage 2のプレーオフも同じモデルを採用し、9月上旬にサンパウロで決勝を迎える。仕組みを順に見ていく。

上位ブラケット:見慣れたシングルイリミネーション

上位ブラケット(winners bracket)は通常のシングルイリミネーションと同じだ。全チームがここから始まり、直接対決の勝ち上がり方式で、勝者が次に進む。違うのは、ここで負けても敗退にならず、1敗を背負って下位ブラケットに落ちる点だけ。

そのため上位ブラケットのルートは最短になる。8チームなら準々決勝・準決勝・上位ブラケット決勝の3ラウンドで、その勝者は無敗のまま決勝進出を決める。下位ブラケットなしの、普通の8チームシングルイリミネーションだけ知りたい場合は8チームのトーナメント表の組み方を参照。

下位ブラケット:ここで敗者復活が起きる

下位ブラケットは初めて組む人が最も混乱する部分だ。単独では進まず、上位ブラケットの各ラウンドで新たに敗退したチームが落ちてきて、すでにそこで戦っているチームと合流するからだ。下位ブラケットの各試合は本物の敗退マッチで、負ければ大会から去る。

8チーム(A〜H)の例で見てみよう。

ラウンド上位ブラケット下位ブラケット
14試合:A-B、C-D、E-F、G-H(8→4チーム)
22試合、準決勝(4→2チーム)2試合:1回戦の敗者4チームが対戦(4→2チーム)
31試合、上位ブラケット決勝(2→1、そのまま決勝進出)2試合:下位ブラケットの生き残り2チームが上位準決勝の敗者2チームと対戦(4→2チーム)
41試合:残った2チームが対戦(2→1)
51試合、下位ブラケット決勝:この勝者が上位ブラケット決勝の敗者と対戦(2→1、決勝進出)

パターンに注目したい。上位ブラケットで負けたチームは、すでに下位ブラケットにいるチームより常に1ラウンド先に合流する。1試合少なくこなして落ちてくるからだ。だからこのズレなしに両グループが同じラウンドで混ざることはない。システムは上位ブラケットが敗者を生むのを「待って」から組み込む。

決勝:なぜ2試合になることがあるのか(ブラケットリセット)

決勝には対等でない立場の2チームが集まる。上位ブラケットの勝者は無敗、下位ブラケットの勝者は1敗を背負っている。全員が2敗で敗退するルールなら、決勝を1試合だけで決めるのは公平さに欠ける。

そこでブラケットリセットが用意されている。下位ブラケットのチームが決勝の1試合目に勝てば、両者は1敗ずつで並び、2試合目が真の優勝者を決める。上位ブラケットのチームがそのまま勝てば、そこで大会は終わる。もう1試合を正当化する2敗目を一度も背負っていないからだ。

このリセットの扱いはイベントによって違う。今まさに進行中の例で言うと、Valorantの、同じく8チームのダブルイリミネーションを採用するVCT Americas Stage 2 2026のプレーオフでは、Riot Gamesがブラケットリセットを完全に採用していない。2試合目の代わりに、無敗で勝ち上がった上位ブラケットのチームが決勝のマップ禁止権で優位を得る仕組みだ。同じ時期にDota 2のThe International 2026が上海で開催しているプレーオフは、ダブルイリミネーションの「標準形」を示す例だ。決勝以外すべて3本先取制で、決勝だけ上位ブラケットの優勝者と下位ブラケットの勝ち上がりチームによる5本先取制になる。

つまりブラケットリセットは数学的な公平さを追求する「純粋な」方式だが、時間の都合でそれを避けるイベントもある。2試合目の5本先取制シリーズは、放送枠が確保されていない状態で急に1時間半ほど延長される可能性があるからだ。自分で大会を運営するなら、エントリー締め切り前に決めておくといい。リセットありなら公平、なしならスケジュールが立てやすい。

総試合数と各チームの試合数

チーム数が2の累乗(4、8、16、32…)の場合、計算はシンプルだ。総試合数は2N − 2(リセットなし)から2N − 1(リセットあり)の間に収まる。Nはチーム数。

チーム数リセットなしリセットあり
467
81415
163031
326263

これは常にN−1試合で終わるシングルイリミネーションのほぼ2倍だ。総当たり戦やグループ制を含む形式別の全計算は大会の試合数の完全な計算式を参照。

ただし試合数はチームによって同じではない。

  • 1回戦で敗退するチーム:最少の2試合。上位ブラケットで負け、下位ブラケットに落ちて再び負ける。
  • 上位ブラケットから無敗で勝ち上がる優勝チーム:上位ブラケットの各ラウンド1試合と決勝で、8チームなら合計4試合。ブラケットリセットは不要。
  • 下位ブラケットから勝ち上がる優勝チーム:途中で1敗し、下位ブラケットを全て突破する必要がある最長ルート。8チームならブラケットリセットを含めて最大7試合。

この負担の差は実務上重要だ。コート予約時間や参加者の都合に左右される大会なら、同じ日に1チームが他のチームの3倍近く試合をこなす可能性がある。時間に余裕のないイベントでこの形式を選ぶ前に考慮すべき点だ。

チーム数が2の累乗でない場合

すべてのグループが4、8、16できれいに割り切れるわけではない。6、10、12チームの場合、ブラケットには不戦勝(シード)が必要になる。抽選や過去の実績、グループステージの成績で上位に入ったチームは、1回戦を戦わずに上位ブラケットの2回戦に直接進む。考え方はシングルイリミネーションと同じで、実際の参加者数のすぐ上にある2の累乗に合わせてブラケットを組み、余った枠を上位シードに不戦勝として振り分け、誰も連続して1試合を超えずに勝ち上がらないようにする。

参加者をすでにバランスの取れたチームに分けていて、あとはブラケットを組むだけなら、Squadbのチーム抽選ツールが抽選済みのチームからシングルイリミネーションのブラケットを自動生成してくれる。上位ブラケットはこれで解決する。ダブルイリミネーションの下位ブラケットは、上で説明したラウンドのロジックに沿って手動で組む必要がある。

ダブルイリミネーションがシングルイリミネーションより有利な場面

シングルイリミネーションは運営が速く、参加者への説明も簡単だが、よく知られた弱点がある。強いチームが1回のたまたま悪い結果で1回戦敗退し、実力を証明する機会を失うことだ。友達同士の気軽な大会で、午後の終わりに優勝チームが決まればいいという場合は、それで十分だ。そうしたブラケットの組み方と形式別の試合数は友達とサッカー大会を開く方法のガイドを参照してほしい。

ダブルイリミネーションが余分な時間と試合数に見合うのは、次のような場合だ。

  • 大会に実際の競技的な重みがある(他ステージへの出場権、意味のある賞、公式ランキングなど)場合で、1回の悪い試合ですべてが決まるべきではないとき
  • チーム数から見て、確保できる時間内にほぼ2倍の試合数を収められるとき
  • 速く勝ち上がるチームと下位ブラケットを生き残るチームの間の不均等な試合負担を管理できる体制があるとき

これらが特に当てはまらないなら、シングルイリミネーションのほうが半分の運営労力で済む。