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大会形式 スイス方式 eスポーツ トーナメント表

スイス方式とは何か:The International 2026の形式と自分の大会での使い方

公開日
読む時間 1 min
成績別に階層分けされたチームが並ぶトーナメント表のエディトリアルイラスト

スイス方式とは、総当たり戦のように全チームと対戦するわけでも、1敗で即敗退するわけでもない大会形式のことだ。毎ラウンド、それまでの成績をもとに対戦相手が決まる——同じような成績のチーム同士が対戦する——という仕組みで、一定の勝ち数に達すれば次のステージへの進出が確定し、一定の負け数に達すれば大会から去ることになる。8月13日から23日まで上海で開催されたDota 2の世界大会、The International 2026(TI 2026)で決勝進出を決めたのが、まさにこの形式だった。

スイス方式の仕組み

競技の種類や大会の規模にかかわらず、仕組みは共通している。

  • 第1ラウンド:対戦カードは抽選、またはあらかじめランキングがある場合はそれに基づいて決まる。
  • 第2ラウンド以降:同じ成績のチーム同士が対戦する。無敗のチームは別の無敗チームと、1敗のチームは別の1敗チームと対戦する、といった具合だ。可能な限り、一度対戦したカードの再戦は避けられる。
  • 勝敗のボーダーライン:主催者は事前に、何勝で進出が確定し、何敗で敗退が確定するかを決めておく。全勝・全敗のチームはボーダーに早く到達し、勝敗を繰り返すチームは遅くまで結果が定まらない。
  • フェーズの終了:全チームがどちらかのボーダーに到達した時点でスイスステージは終了する。全チームが同じラウンド数を戦うわけではない。

実質的には、よく知られた2つの形式の中間に位置する。単純なトーナメント方式は、実力差がわずかでも毎ラウンド半分のチームを脱落させてしまう——1試合の不調で全てが終わる。総当たり戦はその問題を解決するが、10〜12チームを超えると必要なラウンド数が週末どころか1カ月でも収まらないほど膨らむ。スイス方式は両者の利点を取り入れようとする形式で、ラウンド数は少なく抑えつつ、序盤の1試合だけで脱落するチームを出さない。

TI 2026の形式、段階を追って解説

ValveがThe International 2026(TI 2026)を主催し、うまく設計されたスイス方式が一般的に持つ3つの層——純粋なスイスステージ、中位チーム向けの敗者復活ラウンド、下位チームの直接敗退——を組み合わせている点が良い例になる。

スイスステージは8月13日から16日まで、上海で16チームを集めて行われ、全試合が3本先取の2セット先取(Bo3)方式で実施された。最終的にボーダーラインにより16チームは3グループに分かれた。

  • 上位3チーム:Team Vision、Nigma Galaxy、Team Liquidが最も良い成績でスイスステージを終え、プレーオフに直接進出。次のステージの初戦で対戦相手を選ぶ権利も獲得した。
  • 4位から13位:残り10チームは別の敗者復活ラウンド、Bo3形式の一発勝負に進んだ。Team Falcons(Vici Gamingに勝利)、BoomBoys(Aurora Gamingに勝利)、Team Spirit(Team Resilienceに勝利)、Iron Wing(GamerLegionに勝利)、Team Yandex(LGD Gamingに勝利)の5チームが勝ち上がった。
  • 14位から16位:スイスステージで最も成績が悪かった3チームは、復活の機会なく直接敗退した。

これにより、8月20日から23日、上海のオリエンタル・スポーツ・センターで行われたプレーオフには生き残った8チーム——Team Vision、Nigma Galaxy、Team Liquid、Team Falcons、BoomBoys、Team Spirit、Iron Wing、Team Yandex——がダブルイリミネーション方式に進出、全試合Bo3で行われ、8月23日日曜日のグランドファイナルは5本先取の3セット先取(Bo5)方式でチャンピオンを決めた。

この3層構造に注目したい。十分な成績を残したチームは追加ラウンドの消耗を避けられ、中位のチームにも本当のチャンスが残り、実際に成績が悪かったチームだけが脱落する——単純なトーナメント表のように、初戦の1試合を落としただけで脱落するチームは出ない。

スイス方式・総当たり戦・単純トーナメントの比較

形式1チームあたりの保証試合数1敗で即敗退するか適している規模
単純トーナメント1試合(負けたら終了)するチーム数が少ない、または時間が限られる場合
総当たり戦全チームと対戦しない8〜10チームまで、時間に余裕がある場合
スイス方式通常3〜5試合しない(規定の敗数に達するまで)10チーム以上、時間は限られるが本当の2度目のチャンスを残したい場合

形式選びで最も重要なのは参加チーム数だ。少人数なら総当たり戦が説明も集計もいちばん簡単。10〜12チームを超えると総当たり戦の1ラウンド増加が大きな時間コストになり、そこでスイス方式の追加の運営手間が見合ってくる。

自分の大会でスイス方式を使う方法

世界大会並みの規模や体制は必要ない。8チーム以上のあらゆる大会に応用できる。

  1. 開始前にボーダーを決める。 何勝で進出、何敗で敗退とするかを決める。例えば8〜12チームの週末大会なら「2勝で進出、2敗で敗退」が扱いやすい。
  2. 第1ラウンドは抽選で決める。 事前の実績がない以上、初戦の組み合わせはランダムになる。チーム分け自体がまだの場合は、Squadbのチーム分けツールが自動でこの作業を済ませてくれる。
  3. 第2ラウンド以降は成績別に組み合わせる。 勝ち数ごとにチームをグループ分けし、同じグループ内で対戦を組む。既に対戦したカードの再戦はできるだけ避ける。
  4. ボーダー到達を都度記録する。 規定の勝ち数に達したチームは進出確定で以降は試合を行わず、規定の負け数に達したチームは敗退となる。どちらにも到達していないチームだけが試合を続ける。
  5. 最終的な同成績の争いはシンプルなタイブレークで決着させる。 セット差、得点差、それでも決まらなければ追加の決定戦を1試合行う。

8チーム・2勝2敗ボーダーの例

ラウンド対戦カードその後の状況
第1抽選:A-B、C-D、E-F、G-H4チームが1勝0敗、4チームが0勝1敗
第2同成績同士で対戦(1勝0敗同士、0勝1敗同士)2チームが2勝0敗(進出確定)、4チームが1勝1敗、2チームが0勝2敗(敗退確定)
第31勝1敗のチームのみ決定ラウンドを戦う勝者は2勝1敗で進出確定、敗者は1勝2敗で敗退確定

8チームの完全な総当たり戦なら7ラウンドかかるところ、わずか3ラウンドで4チームの進出と4チームの敗退が決まり、初戦の1敗だけで脱落したチームは1つもない。スイスステージ後に4チームや8チームの進出組でチャンピオンを決める場合は、ダブルイリミネーション方式が自然な組み合わせになる。決勝ステージまで「2度目のチャンス」という考え方を維持できるためだ。

よくある質問

スイス方式だけで優勝チームが必ず1つに決まるのか。 スイス方式単体では決まらない。少ないラウンド数で実力に応じて公平に大人数を絞り込むための仕組みであり、実際の優勝決定は進出チームだけで争う別のノックアウトステージに任されることが多い。TI 2026もスイスステージの後にダブルイリミネーションのプレーオフを続けている。

全チームが同じ試合数を戦うのか。 そうとは限らない。全勝または全敗のチームは早くボーダーに到達し、試合数は少なくなる。勝敗を繰り返すチームは最後のラウンドまで結果が定まらないため、両極端のチームより多く試合をこなすことになる。

週末1回のような短い期間でもスイス方式は使えるのか。 使える。特に上記の8チーム例のように試合時間が短く、2勝または2敗という狭いボーダーを設定すれば、週末1日でも十分成立する。総当たり戦に対する時間短縮効果は参加チーム数が増えるほど大きくなるため、総当たり戦でもすぐ終わる4〜5チーム規模ではあえて採用するメリットは薄い。